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【御嶽】御嶽山 日帰り登山 ~ 山岳信仰の残る標高3000mの独立峰、奥深い木曽の旅

木曾御嶽山_01

3日連続登山の最終日は、木曽御嶽山(きそおんたけさん)です。

北アルプスと中央アルプスの中間に位置する木曽(きそ)の独立峰で、標高は剣ヶ峰の3067mで3日間で一番高い山になります。古くから信仰の山として、登山道には数多くの仏教的な史跡と山頂には神社が建てられています。

 

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南アルプスの「仙丈ヶ岳」、「甲斐駒ヶ岳」に続く、3日間に渡る旅の最後の登山スタートです。

御嶽山登山

プロローグ

登山記事が貯まってきてしまいました。まさか、今になって夏休みの宿題に苦しむことになろうとは…。

夏休みと言えば、海のない街というか県で育った自分は友達と行くプールがとても楽しみでした。中学1年生の夏休み、友達5人と自転車を飛ばして隣の市にある大きなプールへ出掛けました。とあるプールサイドで友人Aがイタズラで、友人Bをプールに突き落とそうと背中を押しました。しかし、友人AがBを押した際に足だけが滑って、Bはプールサイドの角に思い切り頭をぶつけました。

気絶してしまったBを医務室に連れて行きました。そして、しばらくするとBは頭を押さえながら医務室から出てきました。幸い頭に外傷はなかったのですが、Bの放った一言に皆驚きました。

「あれ、ここはどこなの?」

人間って記憶を失うんだって思った夏でした。

その後、AはBが記憶を失ったことをいい事にそのプールに来てすらいないCに容疑を擦り付け、夏休み明けにBがCを鬼の形相で追いかけていました。

Aは悪魔や。

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南アルプス2日間の旅を終え、一度東京へ帰宅。軽くシャワーで汗を流し、休む間もなく御嶽山日帰りの準備を仕掛かりました。3時間ほど時間に余裕があったのできちんと準備を済ませることができました。布団に潜りこみたい衝動を抑えて。

そして、向かう先は車を出してくれるアダさんが待つ、神奈川県の小田原へ。

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突然ですが、御嶽山登山口がある田ノ原駐車場です。

深夜のドライブですが、富士山方面から中央道に入り、本線に合流してからの記憶が途絶えています。

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深夜1時に小田原を出発し、休憩を挟みつつ駐車場へは7時前に到着しました。月曜日平日と言うこともあり、駐車場はがらがらでした。

が、外は雨が勢いよく降っています。

しかし、麓の街の天気は7~9時から晴れるとの予報が出ていたので車で一時待機。

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どうやら山の神様は見放さなかったようで30分ほどしたら雨は止み、先ほどまで見え隠れしていた頂上付近の雲が取れはじめました。

ヤムチャくらいの戦闘力と同等であろう自分の山への信仰心が通じたようです。

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7時58分 登山開始 ---

登山口の鳥居を潜り登山開始です。

平日と言うこともあり、登山客より作務衣(さむえ)を着た修業している人のほうが目立ちました。修業スタイルも人それぞれで、ほら貝吹きながら歩いている人もいました。

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駐車場で標高2200mあるため、樹林帯らしいエリアは一切ありません。

道を真っ直ぐ進むだけなので、まず迷うことはないでしょう。

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15分ほど歩くと大江権現(おおえごんげん)に到着。

明治時代初期までここより先は女人禁制だったので、そんなことが石碑に刻まれていました。今現代において、女人禁制なんてしたらどこぞの団体がうるさいのでしょうね。

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太目のタイプの狛犬。

口元目元が赤く着色されているのが御嶽山の狛犬の特徴みたい。

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ここより道は若干険しくなります。

最近の自分の晴れ男っぷりに天狗になっていたせいで、スパッツ(足元の泥除け)を忘れてきてしまいました…。

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作務衣を着た若い女性が降りてきました。

修行僧ガールです。

全身白装束の姿がとても清らかな印象で、つい視線を奪われてしまいます。

 

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信仰の山にきて、煩悩丸出しでいたら天罰がくだりますね。無心で登ることにします。

しばらく歩くと雲の上に出ました。

左奥に見える山脈は未だ未踏の中央アルプスです。

少し御嶽山の位置関係をお勉強。

御嶽山は中央アルプスの西、北アルプス(乗鞍岳)の南に位置しています。高速道路に面しておらず、山深い場所の木曽地域にある独立峰です。

ペイントで書きました。

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ハイ松帯に入ると湿度は下がり、少し快適になりました。

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かなり精巧に作りこまれた猪像。

甲斐駒ヶ岳と同じようにこの御嶽山にも摩利支天(まりしてん)があるからですね。

 

 

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登山口から50分も歩くと8合目に到着です。

太陽が出ていないため、雲は上空に昇らずに、山間を川のように流れています。

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8合目にあった石室。木造ですが昔は石造りだったのかな?

この「捨てないでね」の看板、いろんな山で見かけますがどこかの山岳団体が作成してるんでしょうか。

 

都会のしがらみの中で汚れた心は捨ててもいいですよね?

 

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頂上付近が見えてまいりました。

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8合目を通過すると赤茶けた溶岩岩の道になり、傾斜もきつくなってきました。

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9時37分 一口水 ---

今回の登山道の中で唯一の水場一口水に到着しました。

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ぽたぽた…。

 

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一滴水じゃないかッー!!!

岩石の間に錆びたパイプが2本刺さっていて、ぽたぽたと水が垂れていました。コップが置いてありましたが、喉を潤すまで水がたまるには時間が掛かりそうです。

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9合目付近です。

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ぐいぐい登ります。

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9合目の石室。

頂上にいくつも山荘があるのに、果たして利用する人はいるのでしょうか。

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燭台なんかもあったり。

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富士山は真夜中に登ったので道中の風景を楽しめませんでしたが、似たような感じなのかな。

富士山は山荘(売店)を縫って歩く感じなので、今ひとつ信仰の山の雰囲気は感じませんでした。この御嶽山は仏教的な史跡が点在しているので、富士山より信仰の山という感じがしますね。

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上に大きな建物が見えました。

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10時12分 王滝口頂上山荘 ---

登山口から2時間少々で頂上山荘に到着しました。

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山荘から階段を登ると御嶽神社があります。

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赤く着色された部分が浴び血のようで威圧感のある大きな狛犬。

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御嶽神社の裏手から、最高峰の剣ヶ峰を目指します。

写真の左方面では硫黄が噴出しており、風がふくと臭いが漂ってきます。

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かつては富士山に匹敵する高さの山ということで、爆発してできたカルデラの規模に驚かされます。

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丸い球体に天に向かってらせん状の突起が生えた不思議なモニュメント。

宗教的な意味があるのかもしれません。

箱根彫刻の森美術館に置いてあっても違和感がない。

 

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6人の石造。

きっと名があるのでしょうが…。

像が青黒く変色しているのは錆びたのか、それとも硫黄の成分で劣化したのか、それとも風化防止で最初からこうなのか。

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映画「ロード・オブ・ザ・リング」で登場した要塞都市みたいで、今にも騎馬に乗った兵士が降りてくるんじゃないかとワクワクします。

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山頂直下は黄色いお花畑になってました。

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剣ヶ峰山荘を横切ります。

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山荘を二つほど抜けて、この御嶽神社奥の院の階段を登ったら、御嶽山最高峰の剣ヶ峰です。

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10時50分 御嶽山山頂 ---

標高3067mの剣ヶ峰に到着です。ちなみに日本で14番目の高さです。

山頂は神社の境内になっているためか平らに整備されていました。

ちなみにこの御嶽山で百名山登頂30座目になります。30座目を3000m峰で達成できたのは、なにやら運命めいたものを感じないでもないです。

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あいにく山頂を雲に覆われて遠くの景色を眺めることはできませんが、広大な山頂の景色を眺めることはできました。

これから向かう日本最高所の湖である「二ノ池」が見えます。

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剣ヶ峰からドーム球場の広さは軽くありそうな火口をぐるっと一周します。

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火口は平らなので整備すれば普通に野球の試合ができそうですね。

空気が薄いからボールがよく飛びそうだ。でも、酸欠と高山病で9回まで続かなさそう。

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2010年のワールドカップ南米予選で、アルゼンチンがボリビアのホームである標高3600mサッカー場で対決し1-6でボロ負けしてたっけ。

マラドーナ率いるアルゼンチンチームは、選手ほとんどが高山病になったとか。

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空を見上げると晴れているのが悔しいところ。

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剣ヶ峰から見えていた「二ノ池」に降ります。

神秘的なエメラルドグリーンをしています。

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岩がごろごろしているため慎重に降ります。

てか山頂ほんとに広いな。その規模は荒川の土手みたいだ(?)

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さて、静かな二ノ池の畔で昼食を頂きます。

平日のために家族連れの1パーティーしか周辺にはいなくて、とても静かです。

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焼肉を作ってもらいました。

まさかこのお肉も標高2900mで食べられるとは夢にも思うまい。

自分もフライパンが欲しくなってしまい、後日衝動買いしたのは余談です。

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ここで天候運が切れたのか、これから食べようって時に突然にわか雨が降り始めました。

が、食べてる最中は止んだので良かったのですが、食べ終わる頃にまた降り始めました。それもをともなって。

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優雅な昼食が一変。

慌てて片付けて近くの山荘に逃げ込みました。

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びしょびしょになりながら避難しました。

幸いなことに30分ほど待ったら雨脚は弱くなり、雷も去っていったので下山を開始します。

基本、雨に降られない人間なのでいい経験になりました。

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にわか雨が通り去った標高2900m。

さ、寒い…。

Tシャツの上にレインウェアだけ羽織った状態だと身に堪えますね。北海道のトムラウシ山のように真夏でも低体温症で死ぬ人がいるわけだ。

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ヘンテコなオブジェがあった道に合流し、登りと同じ道に合流。

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王滝口の山頂から駐車場を見下ろします。

遠ざかっていく雷鳴の中で不安定に山間を流道する雲が、日本画家の東山魁夷が描く作品のようでした。

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雨で滑る岩に気をつけながらくだりました。

アダさんは何度も岩でスベリ、すっ転んでいました。

 

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下山すると山頂に掛かっていた雲は綺麗に掃けていました。

 

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五円でかッ!

アニメ「はじめ人間ゴン」で登場した石でできたお金みたいなサイズだ。

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3日目の登山も無事終えることができました。

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帰りにおんたけ高原温泉「こもれびの湯」に立ち寄りました。

長野県ですが名古屋市が経営している温泉です。500円で入浴できます。

鉄分が多い温泉で、伊香保温泉みたいに赤褐色ににごった温泉です。内湯で外には釜湯2個がありました。木造ですが施設は新しく綺麗でした。

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木曽川沿いの道を走り帰ります。

林業が盛んな地域のため、木曽の山域は国立公園に指定されてないんですね。

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木々の自然溢れる木曽地域はまたのんびりドライブで訪れたくなりました。

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中央アルプスをくり貫く権兵衛峠トンネルを抜けて伊那へ。

昨日まで登っていた、南アルプスが綺麗に見えました。

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なんだかんだ遅くなり途中寄った八ヶ岳SAで夕飯に。

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ああ、カレーは美味しい。別に山で食べなくても美味しい。

このベーコン歯応えがあってバッチグー(死語)でした。

御嶽山 登山を終えて

平均標高3000m峰を巡る3日間の登山が終わりました。あーやっぱり布団で寝るのが一番です。

木曽御嶽山は富士山にも負けず劣らずの雄大な独立峰でした。富士山に登りたいけど渋滞して嫌だな~とお思いの方は、是非こちらの御嶽山においで下さい。3000m峰の山では、乗鞍岳に次ぎ登りやすいの山なのではないでしょうか。

広大な山頂を持つ山なので、今回行くことができなかった摩利支天山もいつかは行ってみたいです。今度は修業スタイルもそろえて…。

 

そして、運転お疲れさまでした。自分は寝てくっちゃべってるだけでスイマセン。

 

 

 

 

 

 

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怒涛の3日間が終わりました。

甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳は軽装備、御嶽山はコースタイムが短いというのもあって何とかこなせる事が出来ました。まだまだ夏は始まったばかりです。

少し休憩を挟み、次回は北アルプスへ。

【北アルプス】常念岳・蝶ヶ岳 日帰り登山 ~ 12時間に及ぶ過酷な縦走、情熱的な夏の旅
2012年8月16日 北アルプスの常念岳(じょうねんだけ)と蝶ヶ岳(ちょうがたけ)に行ってきました。 去年の乗鞍岳ぶりの北アルプスになります。常念岳は長野県松本市と安曇野市にまたがり、北アルプスの顔と呼べる標高2857mの山です。 おニューの情熱的な真っ赤なTシャツを着て、かつてない最大限に過酷な日帰り登山の旅をしてきました。

御嶽山の地図はこちら

 

コメント

  1. 3日間おつかれさまでした^^ 
    今回も楽しく読ませていただきました。

    ほんとその行動力に憧れますwすごいです!

    そして 20代後半と思ってたのですが、【始め人間ギャートルズ】が出てくる
    なんて・・・。  よく知ってますねw 子供の頃は、あのマンモスの肉にあこがれてましたw

    仙丈ヶ岳・甲斐駒はぜひ自分もチャレンジしてみようと思います。
    参考にしますね。

    あと、友人Cさんは流血しなくてホントよかった^^;

    • >ひでさん
      こんばんは。

      こんな行動力を見せたのは、小学校の夏、下校中にえっちな本を見つけた時以来ですよ(ぇ
      このアニメはNHKか衛星放送で再放送やっていたのでよく見ていました。
      去年にマンモスの肉ってお菓子が発売されて食べてみたのですが、とてもまずかったです。

      仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳は南アルプス夢のコラボなので是非登ってみてください!

  2. お疲れ様でした^^

    田の原駐車場でしばらく雨でしたが、眠かったので(私には)ちょうど良かったり(・∀・)
    突然のスコールのような雨で山荘に逃げ込んだり (・∀・;)
    そして山荘の人と思ってしばらく話していた人が実は全然関係ない人だったりorz
    何回も転んだり、岩に脚がはまって動けなかったりorz
    その時つらかったことが、今では全て楽しい思い出です。

    しかし、突然の雨に慌ててVERYBLUEさんの事まで考えが及ばす、
    自分の荷物の事ばかりせっせとしたり、
    逃げ込んだ山小屋でも、自分の荷物で場所をとってしまい
    ふと気づくとVERYBLUEさんを追いやっていたり…。
    すぐにまわりが見えなくなってしまう愚鈍な私に、きっと呆れただろうと、悩みました。
    そしてそんな愚かな私に、嫌な顔一つしないVERYBLUEさんに感謝です(*´∀`)♪

    また機会があれば、よろしくお願いいたします
    ペコリ(o_ _)o))

    • >adaさん

      お疲れさまでした。そして、ご苦労様でした。
      登山中に雨に降られる経験がほとんどなかったので勉強させてもらいました。
      アザース!

      平日だったので空いてて良かったですね。
      例えば、富士山の行列中にあんなに転んでいたらと思うとゾッとします。

      さて、また機会があればよろしくお願いします・3・/