2012年11月18日
東京都と山梨県の三頭山(みとうさん) に行ってきました。標高は1531mです。
この三頭山は、東京都と山梨県の県境上に並び、大岳山(おおたけさん)と御前山(ごぜんやま)と共に奥多摩三山(おくたまさんざん)と呼ばれています。標高は1531mと高く、三山の中でも一番の標高を誇っています。自然観察路や遊歩道が整備されている「檜原都民の森」として親しまれている山でもあります。
ぽっかり空いてしまった休みだったので、谷川岳に続いての一人ぼっち登山です。

奥多摩湖の浮橋を渡って登山というのに憧れていたので、一般的に歩くルートとは違いますが、素晴らしいコースでした。
東京でも楽しめる自然の紅葉の旅スタートです。
目次
三頭山について
三頭山の地図
今回の三頭山のコースを簡単にご紹介。
- 奥多摩駅から奥多摩湖にバスで移動し、ヌカザス尾根で三頭山山頂
- 山頂からは檜原都民の森へ下山し、バスで五日市駅へ
三頭山登山
プロローグ
ここ10年でインターネットは、飛躍的に成長しました。
インターネットの黎明期は新聞やメディアのように極一部の人がホームページで情報を発信していました。近年では、パソコンの家庭への普及や携帯電話、スマートフォン。Mixi、Twitter、フェイスブックなどのSNSサービスの登場。それこそ誰もが簡単に身近に起こった出来事を発信する時代になりました。
50年後~60年後は一体どうなってるのか。
インターネット上のデータは、サーバ上にあるデータを消去しない限り残るわけです。つまり、自分が年老いても若い頃の写真や文章が残るわけです。
自分のこんなくだらないブログが後世まで残ったとき、恥ずかしくて死にたくなるんじゃないのかな。死んでも残るのか…。
皆さんも今ネットに書いている事が自分の子供や孫、それ以降の後世に見られる可能性があることを忘れずに。
紅葉登山客で混雑する奥多摩駅からバスで奥多摩湖へ
季節はすっかり冬へ向けて足踏みを開始しているので、玄関のドアを開けると外はまだ真っ暗闇ですね。
カメラをぶら下げて未明の住宅街を抜けていくわけですから、警官に職務質問されて、電車を逃すんじゃないかとビクビクしております。
奥多摩や秩父、丹沢などの都内近郊の山々は紅葉シーズンです。
土曜日はあいにくの雨模様で、日曜日に登山客が集中したのでしょう。乗換駅の立川では、それはもう登山客でラッシュをむかえていました。
久しぶりに乗った奥多摩へと向かう青梅線(おうめせん)。
車窓から流れていく、多摩川沿いに並ぶ街と山々の風景は懐かしさを感じさせてくれます。
青梅線の最後は少し長いトンネルになっていて、そこを抜けると奥多摩駅です。早朝のダイヤにも関わらず、すごい登山客の数です。
駅前で何人もビラを配っている人がいたけどなんだったんだろう?もらえなかった。
三頭山の登山口がある奥多摩湖へ行く、峰谷行きバスに乗ります。
立ち客が出来るほどぎゅうぎゅう詰めでえらい目に遭いました。
鴨沢に行くバスに乗る予定でしたが、このバスも奥多摩湖に寄るじゃんってことで乗りました。
峰谷橋バス停で下車。
峰谷へ向かうバスにはまだまだ人が乗っていましたが、峰谷から登る山って言ったら鷹ノ巣山だと思うのですが、そんなに人気あるとは思えない。どこに行くんだろう…?
標高540mに位置する奥多摩湖周辺は紅葉盛り。
峰谷橋を渡り、トンネルを抜けます。
奥多摩湖にかかる麦山の浮橋を渡る
三頭山への登山口へ行くためには、都民の水資源となっている奥多摩湖を横断します。
麦山の浮橋という名前で、全長220mあります。
ダム建設に伴い湖底に水没した対岸との通行路として作られたものだそうです。
ポリエチレン・発砲スチロールの浮子だそうで、ぐらぐら揺れて少し楽しい。
橋の中央付近で、釣りを楽しんでいる人たちがいました。
緑色した湖面に太陽の光が差し込み、湖岸全面に紅葉した木々を見ていると都内にいることを忘れさせてくれます。
湖を越えての登山なんて早々できるものではないので興奮しました。
奥多摩湖を横断すると案内地図がありました。
意外と急なヌカザス尾根を登り三頭山を目指す
奥多摩湖の遊歩道を進みます。
10分くらいで奥多摩周遊道路に出ました。
普通に車が走ってる道です。
道路を歩いていくと、三頭山登山口を発見しました。
登山口の目の前で道路工事をしており警備員の人が立っていたので、軽く挨拶しましたが無視されちゃったぜ。
登山道に入ると枯れ落ちた木の葉が絨毯になっている道が広がります。
まだまだ入口付近の標高1000m以下は紅葉していました。
しばらくするとヌカザス尾根に出ます。
これがまたキツイ傾斜の尾根道です。
体感ですが、日本3大急登で名高い谷川岳の西黒尾根(にしぐろおね)より傾斜がきついような気がしました。

イヨ山からヌカザス山の間は細かいアップダウンがありました。
枯れ落ち葉の腐食が始まっているのか、少しかび臭い匂いがしました。
落ち葉が栄養となって冬を越えて、また木々に緑の葉を咲かせるんですね。
標高1000m付近になってくると、木々の葉っぱは全て枯れ落ちています。
落ち葉が何層にも重なっているので、土を踏んで歩くより楽です。
が、これが急な坂道ともなるとずるずる滑ってしまうので大変です。
頂上付近は大岩の間を潜り抜けます。
ここまでで出会った登山者の数は3名のみで、あまりメジャールートじゃないんですね。
そして、奥多摩湖を渡ってから2時間40分が経過した頃、いよいよ山頂への分岐点へ到着しました。
都民の森から登ってきたであろう登山者が列を作っていて、それに続くような形で山頂へ到着です。
奥多摩三山の一角、富士山を展望する三頭山の山頂
三頭山頂上(11:48)
念願の三頭山に登ることができました。こちらの3本柱の山頂は東京都のものですね。
東京都と山梨県の県境上の山なので山梨県の標識もありました。県境をずっと北西に行くと雲取山まで延びます。
寒い山頂で黒タンクトップのワイルドなおじさんが映ってるのは幻でしょう。
雪をかぶった富士山を見るのは久しぶりです。1年あっという間でした。
秋晴れでスッキリとした空気のため、綺麗に見えています。視界は360度とは言えませんが、木々の間から全方角展望することが出来ます。
みんな富士山の方角を向いて記念撮影している図。
これだけ人がいると同時間帯でTwitterで「三頭山なう」って呟いている人がいるんじゃないかと検索をかけたところ二人もいました。
「今、Twitterでつぶやいたヤツはどいつだ!!」と叫びたくなりましたが、ぐっと堪えました。
1人なので食事は簡単に済ませます。
水が貴重な山の上で、辛いラーメンってどうなの。
100円のプリンですが、バニラビーンズが入っているプリンで驚きました。バニラビーンズって高いんだよね?
富士山と乾杯するつもりが完全にコップとかぶっている図。
都民の森へ下山
皆がわいわいしている山頂に1人でいると、居た堪れないので早々に下山します。
都民の森に向かいます。
都民の森からの登山道は、人も通っているので落ち葉はしっかり踏み固められていますね。
沢沿いの道をくだります。
水が豊富なため登山道まで湿っているため、何度か転びそうになりました。
上の写真にある橋を抜けると登山道は終了で、都民の森のハイキングコースと合流です。
とぼとぼ歩いていると見つけた滝見橋。
三頭ノ大滝を眺めることができ、滝を見るためだけに作られた立派な橋です。税金がきっと使われているので、都民の人は絶対見に来ましょう。
都内トップクラスの滝は川乗山の途中にある百尋の滝だと思うのですが、落差30mくらいのこの三頭ノ大滝もかなり立派です。
紅葉がもうちょっと綺麗だったら良かったかも知れません。
この滝を見る吊り橋がハイキングコースの終点になっているので、ここからの道は観光客で賑わっていました。
おばさんの観光グループはこんな広い道でも横一列に広がって歩く習性があるので、「ちょっと、スイマセン」と後ろから言わなくちゃいけません。
檜のチップが敷き詰められた横幅の広い道。
標高1000m付近なので、ちょうどう紅葉はピークでした。
しばらく遊歩道を歩いていると、なにやら大きい建物が見えてきました。
コンクリート作りの「森林館」という施設です。
研修棟と展示棟にわかれています。研修等にはレストランがあり、お客さんがいっぱいでした。
熊鈴もレンタルしてくるみたいです。展示棟を少し見学しました。
バス停がある駐車場まで移動します。
標高差が400m程しかないので、登りと比べると1時間であっという間に下山できた感じです。
駐車場の入口には、産直の物産展と店前には売店が出ていました。
名物の「三頭だんご」なるものが香ばしい匂いで焼かれていて、非常に惹かれました。
が、焼き始めだったみたいで買えませんでした。無念。
都民の森からは「数馬の湯」という温泉施設に行き、ゆったり帰る予定です。
ここからは数馬(かずま)という場所に行く送迎バスが出ているので、それに乗り込みました。
バスって言うか8人乗りのバンなんだけど。
駐車場みたいなところで降ろされて、しばらく舗装道を歩く…。
あれ、ここどこだ?
どうやら数馬へ向かうバスではなく、臨時駐車場に行く送迎バスに乗ってしまった模様。二つ上の写真に臨時駐車場って書いてあるし。
ってか、案内のおじさんに送迎バスってどこから出てるんですかって聞いたのに!
駐車場に引き返してまた戻るのも気まずいので、地図を見て思案。
浅間尾根(せんげんおね)を経由すれば数馬に至るルートがあることを発見しました。
なーに、アッという間に下山しちゃったから、歩き足りないと思っていたところだぜ(涙目)
平坦な浅間尾根を走るように進みました。
途中見つけた唐松(からまつ)の黄色に燃え上がるような紅葉が素晴らしかった。
浅間尾根は隠れた紅葉スポットですね。
数馬へ降りる途中にものすごい紅葉している箇所がありました。これを見ることができたのは、バスを乗り間違えた儲けものと自分を納得させました。
民家の脇にある登山口に出て、なんとか下山完了。
コースタイム50分掛かるところを30分でくだりました。むしゃくしゃしてやった。
数馬の湯で入浴し、五日市駅へ
ちょっと歩くと「数馬の湯」に到着です。バス停で時間を確認すると次のバスまで40分しかないので、スピード入浴です。
料金は800円で、内湯が数種類あり、露天風呂もしっかりあります。露天風呂からは道路から車やバイクのエンジン音が響いてくるので風情はないかな。
三頭山に登ってきたであろう登山客で賑わっていました。
廊下のお面こわっ。暗くなると照明が当たるんですか。
横溝正史の小説なら間違いなく、お面を被った殺人犯が現れるレベル。
温泉後の着替えをしっかり持ってきました。
これで、中央線で吉祥寺に遊びに来たけどうっかり寝過ごして山奥に迷い込んじゃった人にカモフラージュすることができます。
いや、この後用事があっただけなんですがね。
コーラをぐびぐびやりつつバスを待ちます。
そして、バスが来て絶望。座席が空いてないじゃないですか。1時間経ったままでした。
そんな罰ゲームを終えて、JR武蔵五日市駅へ到着しました。
違う路線に縦走してくるのは武甲山以来かな。初めて乗る五日市線ですが、車両は中央線と一緒なのですね。
三頭山登山を終えて
奥多摩で富士山が見えるくらい天気が良かったのってあんまりないんですよね。それこそ去年の同じ時期に川乗山に行ったとき以来かも。

今回通った奥多摩駅から五日市駅へ縦走するルートですが、ヌカザス尾根は相当大変です。都民の森を拠点に周回するコースであれば、簡単に登山することができますね。
間違えたバスを案内されてむしゃくしゃしたのですね!
それにしても実は奥多摩って御岳山~日出山しか行ったことないのでとても参考になります。
これからも素敵なブログを期待しています。