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【北海道】雌阿寒岳 登山 ~ 空と大地の中で歩く生きた火山、アイヌ文化と温泉の旅

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2018年9月19日

北海道の雌阿寒岳(めあかんだけ)に行ってきました。標高は1499mです。

釧路市と足寄町に跨り、麓ではマリモが有名な阿寒湖が広がる観光地があります。阿寒(あかん)の名前がつく山は3つあり、この雌阿寒岳と雄阿寒岳(おあかんだけ)、阿寒富士(あかんふじ)です。阿寒岳というと一般的に雌阿寒岳を指すようです。

道東地方の広大な原野に聳えるシンボル的な山です。

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2015年の秋の連休。雌阿寒岳に登れませんでした。

理由は火山規制されていることを知らず、現地まで来て気付くという非常に滑稽なものです。仕方なく火山規制されていない隣接した阿寒富士に登りました。雌阿寒岳を包む巨大な雲海とブロッケン現象を体験したので、そこまで落胆はなかったのですが。

2018年9月6日に北海道胆振東部地震が発生、北海道を愛する一ユーザとして、余っていた夏休みを利用して旅してきました。

雌阿寒岳について

雌阿寒岳地図

雌阿寒岳の地図

登りを雌阿寒温泉コース、下りをオンネトーコースで下山しています。

火山活動の状況:http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/105.html

コースタイム

雌阿寒岳温泉登山口(7:54)→五合目(8:59)→雌阿寒岳山頂(10:02)→七合目(10:45)→オンネトー国設野営場(11:55)→雌阿寒温泉(12:38)
行動時間:4時間44分
山頂滞在時間は20分から30分程度ですが、全体的に少し早めに歩いています。

雌阿寒岳 登山

帯広から足寄、そして雌阿寒温泉へ

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2泊3日の旅だったのですが、今回の登山は3日目になります。前日、帯広市内のビジネスホテルに宿泊しました。帯広でディープナイトを過ごし、かなり眠いですが、帰りの飛行機もあるので急ぎます。

セイコーマートのパインソーダを飲んで南国気分です。

帯広から雌阿寒岳は、車で1時間半から2時間と意外と距離があります。

ルートは国道241号線を使いました。音更町を過ぎたあたりからは、北海道らしい広大な畑が広がります。峠を越えて、足寄町を過ぎれば阿寒摩周国立公園の森林地帯に入ります。

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前日まで雨が降っていたのか道が濡れています。正面に登る雌阿寒岳が見えてきました。

帯広から雌阿寒岳に向かう場合、足寄町(あしょろちょう)で買い出しを済ませておきましょう。阿寒温泉付近にコンビニはありますが、往復30分ぐらいロスするため。足寄町は北海道が産んだ大スター松山千春の生誕地。実家の案内看板と現代における個人情報の観点は存在しないらしい。

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オンネトー湖畔に到着しました。

オンネトー越しに見る雌阿寒岳(左)と阿寒富士(右)は定番の風景です。登山前に一発抑えておきましょう。山頂部だけ雲が掛かっています。常識的に考えれば、時間が経てば取り払われるはずです。が、前回来た時の全く雲が取れない事象が頭をよぎり、不安になります。

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登山口は雌阿寒温泉からスタートします。

阿寒湖湖畔の温泉は旅行ツアーで定番の宿泊地ですが、雌阿寒温泉は山間部に3軒ほどの旅館が並ぶ、こじんまりとした温泉郷です。

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日帰り登山者用の駐車場があるのでそちらに車を停めます。平日と言うこともあり、10台も停まっていませんでした。

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駐車場には公衆トイレが設置されています。

中は水洗でとても綺麗でした。登山コースにトイレはないので、北海道の乳牛のように滞りなく絞り出しておきます。

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無造作に掘られたような溝に乳白色の温泉が流れていました。

雌阿寒温泉は「野中温泉」、「野中温泉別館」、「景福」の三軒の温泉宿が存在します。全道民がDVDを持っていると言われる「水曜どうでしょう」のロケ地で有名なのは「景福」です。

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登山口を目指して、1分ほど車道を歩きます。

雌阿寒温泉コースと広がる北海道の原野

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雌阿寒温泉コースの登山口です。

標高差800m、山頂までコースタイム3時間前後です。北海道の山としてはコースタイム短めで、とっつきやすい部類になります。

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雌阿寒岳は活火山なので、入口には注意事項が記載された看板がたくさんあります。

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有毒ガスが規定量を越えて噴出した場合、サイレンがなるらしい。ホラーゲームに「サイレン」という作品がありますが、山でサイレンを聞いてしまった日には、足が震えて下山できない自信がある。「どうあがいても、絶望。」というやつである。

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木洩れ日が射す樹林帯。

アカエゾマツの自生地で、樹齢は300年~350年。幹は細いですが、ガッチリ真っ直ぐに生えていました。

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北海道は9月上旬から中旬はお天気に恵まれていたようです。気温は20度前後あり、帰京したときの方が肌寒さを感じたくらいです。

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1合目に到着です。

雌阿寒岳の標識レベルは高く、1合目ごとに看板が設置されています。

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エゾアカマツの根が蜘蛛の巣上に飛び出しています。足を置く場所を選びながら登ります。

全道の山を登っているわけではありませんが、大雪山や羊蹄山、利尻山などの雰囲気とはまるで異なる樹林帯です。

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少し登ったところで、袋を持って森の中を歩きまわる人たちがいました。時期的にきのこ狩りでしょうか。

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2合目に到着。

1合目からはあっという間でした。

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苔の中からきのこがニョキっと顔を出していました。雨上がりなので一斉に出ているのかもしれません。

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3合目に到着。

ここも2合目からはすぐでした。ここまでは樹林帯歩きでしたが、3合目を過ぎると火山らしい岩場に変わっていきます。

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火口縁から1キロ圏内になるという注意喚起。

今までと異なる灰色の噴煙が…と記載がありますが、「今まで」を見たことがないので…。

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森林限界を超えて、ハイ松帯に植生が変化しました。

一瞬で取り逃しましたが、エゾリスが横切りました。

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3合目の後半から展望が広がります。

雌阿寒温泉コースからは北西方面の展望が広がり、ひらすらに原野を見渡せます。山間部の間に、牧場を見ることができます。

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ちなみに北海道の山はヒグマの存在が常に脅威ですが、雌阿寒岳の一帯は存在しないという噂です。独立峰のように存在しているので、水気がなく、餌場が少ないからでしょうか。

と言うことで、1人でも登りやすい山です。羅臼岳は一人で登ろうとは思えません。

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4合目に到着。

ここからは展望を遮る背丈の樹林は完全に無くなります。

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ハイ松の中にはかつての噴火の名残である噴出した1m~2m台の火山岩が転がっています。ザックを頭に覆ったところで、助からないと思うわけです。こっそり見えるのは出発前に立ち寄ったオンネトーです。

オンネトーはアイヌ語で、「年老いた沼」また「大きな沼」らしいです。

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高山植物が有名なわけではありませんが、白い球粒の花が足元に咲いていました。

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5合目に到着。

ここまでは横移動がありましたが、5合目以降はぐいっと傾斜を登るようになります。

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果てしなく原野。

国道や県道があるくらいで、街が存在しない道東は自然の宝庫です。人間がまだ歩いてない場所も、結構あるんじゃないかと思える広さです。

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6合目に到着。

この辺は徐々に登っていくだけで、道の変化はあまりない。

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標高を上げるにつれて肌寒くなってきて、Tシャツ一枚で体感的にちょうどよくなってきました。

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7合目に到着。

火口縁から500m圏内。

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こんな岩が飛んで来たら…。

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紫色の実がなっていました。食べれるのかな?

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ハイ松の背が低くなり、活火山らしく山肌が剥き出しに状態になってきました。

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ほぼ標高1500mの雌阿寒岳ですが、火山の迫力によって、高山に登っている感じある。

噴気の轟音が聞こえる雌阿寒岳の火口を歩く

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8合目に到着。

山頂まであと2合。昔は高山植物のコマクサの群生があったらしいですが、盗掘によってなくなってしまったそうです。

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道東方面は晴天でしたが、道央の大雪山や十勝岳は雲がかかっていました。

朝のニュースによれば、サハリン上空にある低気圧が影響し、大雪山などの山脈では雲が発生しているようです。サハリンが影響するという内地の人間には馴染みのないワード。

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9合目に到着しました。

雌阿寒岳の火口外輪を歩くことになります。

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ガラリと世界が変わります。

植物がなく、生き物がいない死の世界。しかし、鼻をつんざく火山ガスの臭いと噴出音が、山が生きていると肌で感じます。火山独特の感覚です。

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荒涼とした礫地が広がります。

噴火の際の途方もないエネルギーの証跡が、その当時のまま風化せずに残されています。

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火口の縁に沿って登山道が伸びています。

火口の西側は立ち入りできないようで、東側に向かうように歩いて行きます。

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そして、ようやく阿寒湖の方角の展望が広がります。雌阿寒岳もまた男体山の中禅寺湖、磐梯山の猪苗代湖など、山頂から巨大な湖を見下ろせる系の山と言うことです。

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阿寒湖の方角にも火口があり、大雪山旭岳の奥にあるお鉢(有毒温泉)のような風景です。阿寒湖の湖畔にあるリゾートホテル群、そしてドーム状の山は雄阿寒岳(おあかんだけ)になります。

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雄阿寒岳は地味な見た目ですけど、こいつです。

栃木県日光の男体山と女峰山のように夫婦関係にあるということでしょうか。

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雄阿寒岳の更に奥に見えるのは斜里岳(しゃりだけ)…かも知れません。

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オホーツクの海岸線が見える…ような気がしないでもない。

流氷見たいんですよね。女満別空港行きの便が安くならないかな。

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再び雌阿寒岳の火口に目をやると火口湖である赤沼(あかぬま)がはっきりと見えます。赤いというより、茶褐色なのですが、火山の成分が濃厚に溶け込んでいるのでしょう。

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ゴオオォォォ!!!」と音を立てながら、火山ガスの噴煙が立ち昇っていました。

当ブログではお馴染みSaku兄は、11月の雪が少し積もる時期に日没ギリギリに登ったそうです。活火山にそんな条件で登るなんて、恐怖で僕は出来ません。彼はサイコパスなのでしょうか。

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火口の奥に存在感を示すのは、阿寒富士(あかんふじ)です。前回登ってから約3年ぶりの御対面です。

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見える景色が徐々に増え始め、いよいよ山頂まで後わずかばかりです。

雌阿寒岳の山頂にて

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雌阿寒岳山頂(10:02)

3年ぶりの悲願が叶いました。雌阿寒岳の山頂です。

火口外輪の一端にあるので、山頂看板の派手さは控えめでした。

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山頂を示す看板は、石碑タイプの地面にじかに置かれていました。何度も落とされてしまったのか、パズルのように割れていました。

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山頂にて、セイコマートで買ったガラナをゴクゴクと飲みます。ガラナは北海道に住む人にとっての血液です。

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阿寒富士方面の風景です。眼下には青沼が見えます。赤沼とは対照的な色合いで、光の当たり加減によって、青から緑に変化します。

「あれ?海岸線が見える?」

雌阿寒岳はだいぶ内陸にあると思っていたので、海岸線が見えたのはビックリです。

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雌阿寒岳は太平洋沿岸の釧路市に属し、海岸まで遮る山脈がないからか。

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山頂は60代以上と思われる3人のおじさんが談笑していました。

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定年退職して北海道の山を仲間と登っている人らかなと思っていましたが、別々に降りて行ったのでそれぞれ単独のようです。

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遠く離れた北海道の山頂(ましてや活火山)に一人と言う状況に対し、恐怖と寂しさが襲ってきました。

果てしない大空と広い大地のその中で

いつの日か 幸せを

自分の腕でつかむよう~♪

北海道の実質的な国歌である松山千春の「大空と広い大地の中で」を口ずさみ、自分を鼓舞しながら下山を開始します。この曲は松山千春の代表曲の一つのような認識だけど、意外なことにアルバム曲なんですよね。

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阿寒湖から登るルートも実に楽しそうで、ここから奥にある剣ヶ峰のピストンをすれば良かったかなと思ってみたり。

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「これ噴火しない?大丈夫?」と心配になるくらい活発な噴火口が、阿寒富士側にあります。

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先ほど9合目(赤沼側)で見た煙の5倍くらいは噴出している気がする。

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雌阿寒岳の外輪の半周を終えて、この火口の風景とはお別れです。

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阿寒富士側へと下山を開始します。

阿寒富士は直登するルートになっていて、急斜面にジグザグに登山道が伸びています。

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雌阿寒岳の山頂からオンネトーコースに降りる斜面は乾燥した砂礫です。これがまた、足がとられて滑る滑る。何度も転びそうになります。

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阿寒富士の分岐まで来ました。

直前まで登ろうかと迷っていましたが、前回のすごい良い思いをさせて貰ったので今回はパスしました。下山後の楽しみも減ってしまいますし。

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オンネトーコースは雌阿寒温泉コースと比べ、7合目からずっと樹林帯です。ここは3年前に歩いているコースなので、記憶に残っていました。

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下山はドタドタと足早に下山しました。

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張り巡っている木の根が厄介で、足をひっかけないように注意してくだります。陽当たりの悪い苔の生えた樹林帯で、不気味さがあります。

ヒグマが出ない(あくまで噂)とは言え、やはり一人では登りたくないものです。

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オンネトーコースにも「合目」を知らせる看板が設置されています。

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1合目まで降りてくると、平らな樹林帯に変わりました。

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オンネトーコースの登山口に到着です。

幼稚園の正門みたいなポップなフォントの看板は健在です。

心細さと戦いながら、オンネトー湖畔から雌阿寒温泉へ

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オンネトーコースの入口は野営場(キャンプ場)になっています。

平日なので面積のある駐車場はガランとしていました。

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この場所で行程が終われば幸せなのですが、オンネトー野営場から雌阿寒温泉に戻らなければなりません。

舗装道路でも辿り着けますが、キャンプ場を突っ切れば短縮になります。

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事務所は営業していませんでしたが、トイレは解放されていました。観光スタンプもありましたが、持っていなかったので、温泉に入ってから回収しておきました。

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オンネトー野営場は、森林の中に点々とスペースが作られ、ファミリー層ではなく、登山やツーリングなどのキャンプガチ勢が泊まるような場所と言う印象でした。

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オンネトー湖畔の東の岸に沿って歩いて行きます。

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実は一番怖かったのは、このルートで、羆と遭遇したらと言う不安がありました。奥の方でガサッと音がするとビクッと体が反応してました。

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部分的に紅葉している木がありました。

雌阿寒岳自体は紅葉する樹林がないですが、オンネトー湖畔は10月中旬ごろに紅葉見ごろを迎えるようです。

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雌阿寒温泉への分岐を示す看板は転がってました。

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人気のない深い森へと続く一本道…。

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谷上の地形で、オンネトーから雌阿寒温泉は若干の登りです。

羆のエンカウント率はかなり低いですが、正直なところ怖いので、早歩きで進みます。熊鈴の音が後方から聞こえていたので、駐車場で抜いたおじちゃんがいるようです。

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針葉樹林帯をかなりの早歩きでしたが、熊鈴の音が一向に遠くなりません。仮にも年齢差が結構あるのに…。おじちゃんが熊に食べられて、熊鈴をつけたまま、追ってきているんじゃないかと変な想像が膨らみます。

がむしゃらに歩き続け、雌阿寒温泉の建物が見えたときは心底ホッとしました。

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そして、ようやく雌阿寒岳の周回コースを歩き切り、駐車場に戻ってきました。

おや、駐車場に犬が座っているぞ…。

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この毛の長い犬は雌阿寒温泉で飼われている「モコ」という名前の登山犬だそうです。雌阿寒岳を一緒に登ったというレポートを結構見ることができます。

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この日は駐車場に座り込み、登山口をずっと見ていました。誰かの到着を待っているのでしょうか…。

野中温泉で旅の疲れを癒し、カムイコタンで食べるアイヌ料理

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火山の良いところは、下山をすればそこに温泉があること。

移動せずともすぐに汗を流せます。3年前の阿寒富士登山の時にも訪れた、野中温泉別館に入ります。

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エントランスにあるモニタに火口のライブカメラ映像が映されていました。これが、インターネット公開されていたら良いのに…。

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平日の真昼間だったので、貸切です。

洗い場はなく、浴び湯で体を洗います。シャンプーや石鹼の備え付けはありません。持参していなかったので、受付で購入しました。

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硫黄の匂いが香る温泉です。

入浴後はしばらく臭いが続き、衣服に染み込んでいくタイプです。

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開放的な露天風呂。

前回は千歳空港に到着後に高速を走らせ、登山後に温泉に入った時には真っ暗でした。今日はこれから空港に向かうので、阿寒に来るときは毎回忙しい。

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時間はないけれど、オンネトー越しの阿寒岳をもう一度だけ見ておきました。

栃木出身の自分にしてみると、関東平野から見る日光連山の男体山と女峰山にシルエットが似ていると思う。男体山が阿寒富士、女峰山が雌阿寒岳。位置が逆で、雄阿寒岳でなく、阿寒富士なのが微妙なところではあるが。

栃木県民がこの土地を開拓したのであれば、阿寒男体、阿寒女峰になっていたかもしれない。

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阿寒湖の観光をせずして、雌阿寒岳に登ったとは言えません。

雌阿寒温泉から阿寒湖の湖畔へは、車で15分ほどの距離にあります。北海道の先住民であるアイヌ人の文化を色濃く残す、北海道の代表的な名所です。中心地のアイヌコタン(集落)は、日本でオンリーワンの雰囲気がある一角になっています。

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木彫りの民芸品がずらりと並んだお店がたくさんあります。名物のマリモもまた売られています。

自分は今回で4回目のアイヌコタンだったりする。小学生の家族旅行で1回、知床登山からの立ち寄りで1回、阿寒富士の登山帰りに1回。札幌よりもこの街を訪れた回数が多い。

カムイ(アイヌが信仰する神)の導きなのだろうか。

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下山してお腹がペコペコ。何はともあれ、腹ごしらえなのです。

民芸喫茶 ポロンノ (釧路市その他/郷土料理(その他))
★★★☆☆3.23 ■予算(夜):¥1,000~¥1,999

食事場所に選んだのは民芸喫茶「ポロンノ」。看板にあるようにアイヌ料理が食べられるようです。

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店内は平日にもかかわらず賑わっていて、店の奥にある空いているカウンターに案内されました。

アイヌっぽい音楽と独特な文様が描かれていて、アイヌ感が強い。

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アイヌ語で表記されたメニュー。

どれもこれも気になるのですが、鹿肉を使ったユック丼を注文しました。

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所狭しと雑誌・小説・資料集・写真集・漫画が置いてあります。

明治時代の北海道を舞台にした「ゴールデンカムイ」があったので思わず読んでしまった。Amazon Kindleで全巻持ってるのですが。写真を見て気づいたのですが、「くう・ねる・のぐそ」というパンチの聞いた文庫が置いてあるじゃないですか…。食事するカウンターだぞ。

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温泉で汗を流して、喉がカラカラなので、自家製のコケモモジュースも一緒に頼んでおきました。

甘酸っぱくて、口の中を爽やかにしてくれます。

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エゾ鹿のユック丼です。

正直なところ観光地の中心にある料理屋なので、期待は薄かったですが、そんなことはありませんでした。鹿肉は分厚く切られていて、特製のタレに付け込まれていて、白いご飯によく合います。添えてある行者にんにくがこれまた良い。ジビエ特有の臭みはありませんでした。

雌阿寒岳ヒンナ

思わず「ヒンナ」と食事に感謝せずにはいられない。

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アイヌ料理を堪能し、お土産を探しに行きました。平日の真昼間なのでガラガラですが、ずらりとお土産屋が営業しています。

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一軒一軒の品数がとんでもない量です。

2014年の夏は箸を買ったっけな…。

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可愛らしいマウンテンブーツが売っていたので買いました。後は瓶に入ったマリモを買い、部屋の日の当たる場所で育成中です。

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阿寒温泉からトンボ返りです。

十勝川に掛かる中央大橋を越えると、帯広に戻ってきなと思う。渡った個所に急カーブがあるせいで、渋滞になりやすいのが難点。

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じゃかいも畑の真ん中にある帯広空港から東京に帰ります。

9月後半の北海道は暖かく、東京に帰ってきたら少し肌寒いなと感じました。7月に訪れたときはフリースを着ていても寒かったのに。

帰宅ラッシュに飲まれながら家路に着くのでした。

雌阿寒岳の登山を終えて

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今回の北海道遠征は、夏以前から計画していました。

しかし、9月6日に北海道胆振東部地震が発生、本来の計画は中止になりました。だけども、北海道の山々が単純に好きな登山者として、地震後2週間と言うスパンを空けて旅立ちました。

この感想の通りです。

停電による物流不足、夜間の節電などはありましたが、北海道の旅は何回訪れても相変わらず楽しい。

聖人でも偽善者でもない、「北海道は元気です。皆さんも是非行ってみてください」と、責任のない発言できませんが、自分はまた来年も北海道の旅を計画すると思います。一人の旅行者として。

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雌阿寒岳は火山としてのスケールは他の山と比べるとこじんまりとしていますが、北海道の雄大な自然をより身近に感じる生きた山でした。秘湯ロマンある雌阿寒温泉、先住民であるアイヌ文化を色濃く残す阿寒湖など観光要素も充実しています。

(北海道にしては)コースタイムが短めであるため、構えずに登れる山でした。

最後はやはりあの歌で締めましょう。

歩きだそう 明日の日に

振り返るには まだ若い

吹きすさぶ 北風に

とばされぬよう とばぬよう

阿寒富士の記事

【北海道】阿寒富士 登山 ~ 山から祝福のプレゼント、ブロッケン現象と豪快な雲上の旅
2015年9月17日 北海道の阿寒富士(あかんふじ)に行ってきました。標高は1476mです。 雌阿寒岳に隣接している山で、綺麗な円錐状の形であるため、そのまま「阿寒富士」と名付けられています。 日本一早い紅葉が見たいということで、北海道の大雪山をメインディッシュに3泊4日の行程で秋の北海道を旅してきました。 早朝に千歳空港に降り立ち、ギリギリ登山可能な山として阿寒富士を選びました。正しくは雌阿寒岳に登れなかったのですが、それは本編で。 ...

3年前の2015年に登った阿寒富士の記事です。

併せてご覧ください。

雌阿寒岳の地図はこちら

コメント

  1. とても思い出深い山だったので楽しく読ませていただきました
    ただ途中途中にある決めつけ文言的なものは書かなくてもいいのではないでしょうか
    下の街に行かないと雌阿寒岳に登ったとは言えないなんてことはないと思いますよ、ちょっと読んでて自分が登ったときのことを否定されているようです悲しくなりました。
    他にも北海道の方へのレッテル張り的なのはいじりにしてもやめたほうがいいと思いますよ。
    それに、集英社さんの漫画の転載をしていらっしゃいますが…、そんなことしなくても面白いので、危ないことはおやめになったほうがよいのではないでしょうか?

    とても楽しく読ませていただいているので残念です。
    これまでの山の記事はもう書かないのでしょうか?

    • >山屋さん
      コメントありがとうございます。
      残念な気持ちにさせて申し訳ございません。

      しかしながら、いくつかの御指摘は私個人としては受け入れるつもりはありません。
      SNSではなく、ブログというコンテンツを選んでいるのは、管理人である私個人が自由に表現できるからです。
      多少の毒や偏見も含めて、私のブログです。

      >下の街に行かないと雌阿寒岳に登ったとは言えないなんてことはないと思いますよ

      と、仰られていますが、私は山屋さんの行程は当然ながら存じません。また、誰かの登山を否定もしてません。
      自分はオリジナリティを追及する旅をしています。こういう発言は昔からずっとしていますし、登山と観光の比重は同列にあります。それは、プロフィールにも書いています。
      地震後で経済鈍ってるので観光した方がいいですし。
      後、「観光して是非お金を落としましょう」と言うには、影響力もない一般旅行者なので、自分らしいニュアンスを込めてます。

      漫画の転載について「危ない」と、言っているのは法的なことでしょうか。
      法的な話をすると樹海に迷い込むので、今後も避けます。
      個人的な所感ですが、ゲームのプレイ動画が人気だったり、漫画のキャプチャがTwitter上で拡散されるのは日常的です。
      重箱の隅をつつき、山や谷を埋めていたら、コンテンツは全て同じようなものになってしまうなと思っています。

      これまでの山記事は書くつもりでいますが、何分忙しい事情もあり、ピックアップで公開していくつもりです。
      今後もよろしくお願いします。

  2. 北海道遠征登山おつかれさまでした。
    天気が心配だったので、青空の写真を見てホッとしました。
    雌阿寒岳は年に4〜5回は登る大好きなホームマウンテンです。
    登山や阿寒観光の魅力が伝わる楽しい記事でしたよ(^^)
    また北海道の登山を紹介してください!
    道民として楽しみにお待ちしています。

    • >山と星とカメラさん
      遅くなりましたが、コメントありがとうございました。
      確か自分が訪れた数日間は、寒気が北海道の更に北にあって、大雪山方面は曇りでしたが、雌阿寒岳は無事でした。
      北海道はまた行きたいと思います。
      今年は航空券が安いので、冬の北海道も旅したいです。
      運転が非常に不安ですが…。

  3. 「オソマでマリモは育たんぞ、スギモト」

    >便に入ったマリモ
    重箱の隅をつついてみた m(_)m

    • >アシリパ
      えぇ~やめて~。
      マリモはうんこでは育ちませんね。湖の魚のオソマでは栄養があるかもしれませんけど。
      こっそり直します。

  4. veryblueさんお久しぶりです!
    北海道行きたいなー
    まだ一度も行ったことがありません。
    「アルプスを5回登るより、北海道へ1回行きたい」名言ですね。
    中国山地も熊の生息地です。先月行った山は栗やドングリがたくさん
    落ちていたので、熊鈴鳴らしながら登りました。
    veryblueさんのレポは面白いし写真がきれいなので大好きです。
    次も楽しみにしています。
    追伸 明日は宮島の弥山に登ります。

    • >やま子さん
      基本的に登山が好きではなく、登山と絡める旅が好きなので、アルプスがすべてではなく、
      旅情が味わえる方が好みです。
      中国地方は今年も行けるかどうか…ゴールデンウィーク当たりの時に歩きたいです。
      意外と山が深そうですから、クマも多いですね。

      次も楽しみにしていてください。
      宮島いいなあああ…。